【真宗大谷派】仏具の使い方 その2

名古屋市港区の信興寺です。今回は前回の投稿記事で予告した通り、花瓶(かひん)についてまとめてみたいと思います。

花瓶(かひん)とは

花瓶はお仏華を立てるための真鍮製の器で、「かひん」と読みます。字は同じですが「かびん」と濁りません。花瓶には丸型と角形がありますが、基本的に一般家庭のお内仏(お仏壇)にあるものは写真のように丸型が多く、鰭(ひれ)がついており、家紋が入っているものが多くみられます。そしてこの家紋がついていて、鰭がついているものが、どこを正面にしたらいいのか・・・という混乱を招くのです。
http://www.kyobutugu.co.jp/siryokan/kahin.html

花瓶の向きと置き方

花瓶は上の写真のように、鰭が中央に来るように配置します。両サイドに紋がついていますが、紋が正面に来ることはありません。

紋が正面にくる置き方はしません。

鰭が正面にくる置き方をするのですが、よく見てみますと、紋が2つあることがわかります。
1つは丸っこい形をした紋です。これを「抱き牡丹紋」と言います。
そしてもう一つはひし形のような形をした紋です。これを「八つ藤紋」と言います。

花瓶の置き方は、この八つ藤紋が内側(香炉側)を向くように配置します。三具足の場合も五具足の場合も必ず八つ藤が内側、抱き牡丹が外側を向きます。三具足と五具足については前回のブログでも少し紹介をしておりますのでそちらをご覧ください。
https://shinkouji-nagoya.com/【真宗大谷派】仏具の使い方%E3%80%80その1/

八つ藤紋(ひし形っぽい形)が内側に、抱き牡丹(丸っこい形)が外側を向くように置きます。

仏華として好ましいもの、好ましくないもの

仏華といえば、菊やカーネーションといった花がよく使われ、スーパーなのでも販売されています。では好ましい花、好ましくない花があるのかを紹介いたします。基本的に次のような花を避けていただければ何の問題もないと言われていますが、宗派さまによって異なる場合もございますので、それぞれのお寺様やもしくはお花屋さんにお聞きください。

【ダメなお花の例】
・棘のある花(アザミやバラなど)・・・怪我をする→殺生のイメージ
・花ごとポロッと落ちる花。散りやすい花(椿、サザンカなど)・・・打首のイメージ
・香りの強い花(ユリやカサブランカなど)・・・花粉が多く、かつ傷みやすい。
・毒のある花(シャクナゲ、彼岸花、チューリップなど)・・・さまざまな危害が及ぶ可能性があるので避けましょう。
・ツル状の花(朝顔など)・・・水を吸いにくく、すぐに枯れやすい。
・造花・・・プリザーブドフラワー。最近は増えてきたので一概にNO!!とは言えませんが、法要、月命日、お盆、お彼岸、年末年始などの時はできる限り生花を使いましょう。

逆に言えば、上記の花を避けてもらえればどのようなものでも大丈夫なのです。故人が和花が好きだった方なら、和花を中心に、洋花が好きだった方なら、洋花を中心にお供えください。また季節によっていろいろな花があります。お供えのお花で春夏秋冬をお楽しみください。葬儀屋さんのQ&Aにもありましたので、リンクを貼って置きますのでご覧ください。https://www.yoriso.com/sogi/article/butudan-flower/

お盆の法要
お盆前後、本堂のお華はホオズキやハスが供えられています。

この記事を書いた人